雑記

後藤騎手の訃報に接して

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先日後藤浩輝騎手の訃報を目にして驚かれ、ショックを受けられた方も多いのではないでしょうか。私も最初掲示板でみた際、悪質な書き込みだと疑いませんでした。

波乱万丈の騎手人生で、実力を有した個性派でしたが、鞭を置いても充分活躍できたことでしょう。競馬界にとっても損失は小さくありません。後藤騎手と言えば、何よりもアドマイヤコジーンで勝った安田記念を思い出します。レース後、号泣し、辛かった時期に声をかけてくれたオーナーと抱き合っていた姿は印象的でした。世知辛い世の中ですが、義理人情が残る世界であり、それもまた競馬の魅力なのかもしれません。しかし、どこにでも転がっている話ではなく、後藤騎手の人柄が忍ばれ、大変惜しまれます。

ただ、辛かった時期を知っているからこそ、残されるご家族のことを考えてもらえれば、それが非常に残念であります。

同様にファンの方も突然の別れを強いられましたが、悲しみの声だけではなく、怒りの声に対しても、同意を禁じ得ない部分があります。

自ら命を絶った時、普段の明るさとギャップがあればあるほど、ショックが大きいことを感じ、ある種裏切られたかのような感情も覚えました。

個人的な経験として、軽い気持ちで簡単に何回も、「仕事を辞めたい」とか、「死にたい」とか言う人は、それほど切迫感がなく、行動に移さないように思います。

私も独り言が多くなることがありますが、言葉にすることでストレスを処理しているのでしょう。

しかし、明るい人や、他人に気をつかう人は、吐き出すことが出来ないのかもしれません。そして、限界がきた時、衝動的な行動に走るのではないかと感じました。

また、身体の調子が悪いと精神的にも不安定になり、落馬の影響も少なからずあったかもしれません。

ただ、落馬の当事者をたたくことは、故人の意思を無視し、人格を冒涜することであるとも思います。亡くなった後藤騎手が、それで喜ぶとは思いたくありません。

騎乗に対して無理解で無責任な言葉を吐くこともありますが、思えば様々な点で神経をすり減らす過酷な職業であります。

いまはただ、静かに冥福を祈り、安らかにお眠り頂くことを願います。

そして、とてつもなく長い時間がかかるかもしれませんが、ご家族の方の気持ちが落ち着いた時、後藤浩輝という騎手をより誇りに思えるよう、あの安田記念を語り続けていきたいと思います。

 

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